山梨県のDX推進状況|全国27位の実態

山梨県の自治体DX総合スコアは53.8点で、全国47都道府県中27位という結果になっています。全国都道府県平均の54.5点と比較すると、わずかに下回る水準です。ただし県内27の市区町村を見ると、地域によってDX推進の進捗度に大きな差が生じており、最高91.7点から最低29.7点までの62.0点という大きな格差が見られます。

山梨県の5つの評価カテゴリを詳しく見ると、マイナンバーカード関連(83.0点)と32手続オンライン化(65.9点)では全国平均に近い水準を保っています。一方、DX推進体制(45.5点)やAI/RPA/テレワーク(33.3点)では全国平均を大きく下回っており、組織体制の整備や先進技術の導入が課題となっていることが明らかになっています。

県内市区町村TOP5|スコア分析

山梨県内の市区町村DXスコアランキングTOP5は以下の通りです。山梨市は全国4位という抜きん出た成績を収めており、県内で唯一全国TOP100に入る自治体となっています。

順位 自治体名 DXスコア 全国順位 人口
1位 山梨市 91.7点 全国4位 33,435人
2位 北杜市 77.8点 全国113位 44,053人
3位 笛吹市 76.8点 全国130位 66,947人
4位 都留市 65.9点 全国424位 31,016人
5位 富士川町 64.1点 全国496位 14,219人

山梨市(91.7点)|県内DXトップランナー

山梨市は全国4位という優秀な成績を記録しており、県内ではダントツのDX推進度を示しています。DX推進体制とAI/RPA/テレワーク、オンライン利用率において満点の100.0点を獲得しており、組織的な推進体制の構築と職員のテレワーク導入、住民へのサービス周知が高いレベルで実現されていることがうかがえます。

北杜市(77.8点)・笛吹市(76.8点)|堅実なDX推進

北杜市笛吹市は県内2位・3位の成績で、いずれも全国100位台の評価を受けています。特に笛吹市はAI/RPA/テレワーク(83.3点)で高い水準を達成しており、県内最大級の人口規模を背景とした組織的なDX推進が進行していることが示唆されます。

都留市(65.9点)・富士川町(64.1点)|中堅レベルの推進

都留市富士川町は県内4位・5位の成績です。都留市はAI/RPA/テレワークで83.3点と高い数値を記録している一方で、オンライン利用率(14.2点)に課題を抱えており、職員のDX対応と住民のサービス利用のギャップが見られます。富士川町も同様に、DX推進体制(14.3点)の弱さが全体スコアを抑えている要因となっています。

課題のある自治体|DX推進の遅れ

県内には DXスコアが30点台の自治体が複数存在し、地域格差が顕著です。以下は特にDX推進が遅れている自治体のデータです。

鳴沢村(29.7点・全国1583位):AI/RPA/テレワークで0.0点と、先進技術の導入が全く進んでいない状況が明らかになっています。人口2,824人の小規模自治体であることが要因と考えられます。

西桂町(32.2点・全国1524位):やはりAI/RPA/テレワークで0.0点であり、オンライン利用率も9.5点にとどまっています。DX推進体制の整備が進まない中で、住民向けサービスのデジタル化も停滞していることがうかがえます。

山中湖村(33.0点・全国1507位):人口5,179人の小規模自治体で、同様にAI/RPA/テレワークは0.0点です。オンライン利用率(7.4点)も極めて低く、DXの基盤構築段階にあると言えます。

考察|なぜこのような順位になったのか

山梨県内のDXスコアに大きな差が生じている背景には、複数の要因があります。

人口規模と自治体規模の影響:山梨市北杜市笛吹市といった県内の中核自治体がTOP5を占めている一方で、スコアが低い鳴沢村西桂町山中湖村はいずれも人口5,000人以下の小規模町村です。DX推進には専任の職員確保や予算配分が必要であり、組織規模の小さい自治体ほど対応が難しくなるという構造的な課題が存在します。

DX推進体制の格差:山梨県内ではDX推進体制のスコアが平均45.5点と全国平均58.2点から13ポイント以上低くなっています。特に小規模自治体ではDX専任部門の設置や、庁舎内のDXリテラシー向上が進んでおらず、体制整備の遅れが全体スコアに反映されています。

AI/RPA/テレワーク導入の課題:県全体のAI/RPA/テレワークスコアが33.3点と全国平均52.4点の63%にとどまっています。これは先進的な技術導入よりも、基本的な業務効率化への優先順位が低い、あるいは導入に踏み切れていない自治体が多いことを意味しています。

マイナンバーカード関連は堅調:興味深いことに、マイナンバーカード関連(83.0点)は全国平均82.0点とほぼ同等の高い水準を保っています。これは国の重点施策として推進されていることが、県内すべての自治体に浸透していることを示唆しています。一方で、他の施策との優先度の差が、総合スコアの低さにつながっていると言えます。

まとめ|山梨県のDX推進の今後

山梨県は全国27位という平均的な水準にありますが、県内27の市区町村を見ると、最高91.7点と最低29.7点の大きな格差が存在します。山梨市をはじめとする中核自治体がDX推進をけん引する一方で、小規模町村は深刻な遅れを抱えています。

特に改善が必要な領域は、DX推進体制の構築とAI/RPA/テレワークの導入です。県全体の底上げを図るためには、小規模自治体向けの人材育成支援や広域連携によるDX推進、国庫補助の活用などの施策が求められています。

山梨県内の市区町村別DXスコアをさらに詳しく知りたい方は、県内全27自治体の詳細データをまとめた山梨県市区町村DXスコア一覧ページをご参照ください。

出典:総務省 令和6年度調査(地域スコア集計)