山口県のDX総合スコア|全国10位の実力
山口県は総務省の「地域スコア集計」において、総合スコア60.0点で全国10位にランクインしています。これは全国都道府県平均の54.5点を大きく上回る成績であり、自治体DX推進において全国でも上位層に位置する県です。
特に注目すべきは「マイナンバーカード関連」のスコアで、84.4点と全国平均(82.0点)を上回っています。一方、「32手続のオンライン化」においては29.8点に留まり、全国平均33.2点と比べて約3.4点下回る課題が見られます。このギャップは、今後山口県が取り組むべき重要な改善領域を示唆しています。
総合スコア:60.0点(全国10位)
県内市区町村平均:60.0点(全国市区町村平均53.1点より+6.9点)
県内スコア格差:59.2点(最高80.3点~最低21.1点)
県内市区町村TOP5ランキング|山口市がトップ、全国83位
| 順位 | 自治体名 | DXスコア | 全国順位 | 人口 | オンライン利用率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 山口市 | 80.3点 | 全国83位 | 193,966 | 100.0% |
| 2位 | 岩国市 | 78.6点 | 全国106位 | 129,125 | 100.0% |
| 3位 | 周南市 | 78.2点 | 全国111位 | 137,540 | 100.0% |
| 4位 | 長門市 | 76.0点 | 全国140位 | 32,519 | 100.0% |
| 5位 | 柳井市 | 73.7点 | 全国190位 | 30,799 | 100.0% |
県内市区町村の中で唯一全国TOP100入りを果たしたのは山口市で、80.3点というスコアを記録しています。県庁所在地として「DX推進体制」「AI/RPA/テレワーク」で高い評価を受け、オンライン利用率で100%を達成するなど、県内での中核的なDX推進拠点として機能しています。
岩国市と周南市は78点台のスコアで、山口市に続く主要なDX先進自治体です。特に周南市は「AI/RPA/テレワーク」のカテゴリで100.0点の満点を獲得しており、業務効率化への積極的な投資姿勢が伺えます。長門市と柳井市は人口30,000人台の小規模自治体ながら76点・73.7点の良好なスコアを保持しており、規模に関わらずDX推進に取り組む自治体が県内に複数存在することが分かります。
県内でDXが遅れている自治体の課題
一方、DX推進が課題となっている自治体も存在します。山口県内で最も低いスコアとなっているのは阿武町(21.1点、全国1707位)で、続いて和木町(27.6点、全国1622位)が低迷しています。
阿武町の場合、「DX推進体制」が14.3点と極めて低く、「AI/RPA/テレワーク」では0.0点という深刻な状況です。オンライン利用率も5.7%に留まっており、庁舎内のDX推進と住民への浸透が大きく遅れていることが明らかです。人口3,055人という極小規模自治体であることが、専門人材の確保や投資体制の構築に大きな障害となっていると考えられます。
和木町もAI/RPA/テレワークで0.0点であり、同様の課題を抱えています。田布施町(43.1点)も県内では下位層に位置しており、小規模自治体を中心にDX推進体制の構築が進みにくい傾向が県内に存在することを示唆しています。
考察|格差が生まれる背景と地域特性
山口県内で見られる顕著なDX推進格差は、単なる取り組み姿勢の差ではなく、複雑な構造的要因に起因しています。
最初に注視すべき点は「人口規模と人材確保の関係」です。山口市(人口193,966人)は県庁所在地として行政規模が大きく、DX専門人材の配置やIT予算の確保が相対的に容易です。一方、阿武町のような3,000人程度の小規模自治体では、常勤のシステム管理者を配置することすら困難であり、外部委託費用も自治体負担では対応限界があります。
第二の要因として「オンライン化への住民ニーズの相違」が挙げられます。県庁所在地である山口市は転入人口が多く、利便性重視の住民層が厚いため、オンライン手続への需要が自然と高まります。これに対し、高齢化率が高い小規模町村では対面手続を望む住民が多く、オンライン化への投資優先度が下がる傾向にあります。
第三に「広域連携・共同処理の進展状況」も影響しています。県内で高スコアを記録している自治体の多くは、県内広域連携や国庫補助事業を積極的に活用し、複数自治体による共同システム構築で経費削減を実現しています。対照的に、小規模自治体の中には広域連携から取り残される傾向が見られ、単独での自前システム構築を余儀なくされている例もあります。
興味深い事実として、県内TOP5の全自治体が「オンライン利用率100%」を達成している一方で、下位自治体では2~8%に留まっている点があります。これはシステムの供給側の充実が住民側の利用促進につながる好循環が存在することを示唆しており、初期投資段階での支援が重要な課題となっています。
まとめ|山口県のDX推進の方向性
山口県は全国10位という堅調なDX推進状況にありますが、県内の市区町村間には59.2点の大きな格差が存在します。これは「都市部の先進性」と「小規模自治体の課題」が同一県内に共存している状況を示しています。
今後の山口県におけるDX推進のポイントは、以下の三点に集約されます。第一に「小規模自治体への人材・資金支援」の強化、第二に「広域連携による共同システム構築」の推進、第三に「32手続のオンライン化率向上」(現在29.8点)への重点的取り組みです。特に最後の点は全国平均33.2点との比較で改善余地が大きく、県全体のスコア底上げに直結する課題となっています。
山口市や岩国市といった先進自治体のベストプラクティスを県内に横展開し、同時に小規模自治体の実情に即した支援メニューを拡充することで、県内全体のDX推進が加速するものと期待されます。
山口県内の全市区町村の詳細なDXスコアや特徴についてさらに知りたい方は、山口県内市区町村一覧ページをご参照ください。各自治体の強み・課題が詳細に記載されており、DX推進状況をより深く理解することができます。
データ出典:総務省「令和6年度調査(地域スコア集計)」