富山県のDX総合スコアと全国ポジション
富山県は、令和6年度の自治体DX評価において総合スコア65.5点を達成し、全国2位という優秀な成績を収めています。これは全国都道府県平均の54.5点を大きく上回る結果です。
特に注目すべきは、5つの評価カテゴリにおける県の強みです。マイナンバーカード関連施策(85.1点)、AI・RPA・テレワーク導入(80.0点)、DX推進体制の整備(70.5点)では、いずれも全国平均を上回る成績となっています。一方、「32手続のオンライン化」(32.1点)は全国平均の33.2点とほぼ同等で、今後の改善余地があるカテゴリとなっています。
全国都道府県平均:54.5点
県内市区町村平均:65.5点(全国市区町村平均:53.1点)
県内市区町村DXランキングTOP5
富山県内の15市区町村で実施したDX評価では、地域による差が顕著に表れています。最高スコア84.8点から最低37.2点までの大きな格差(47.6点)が存在します。以下は県内TOPスコアを獲得した5つの自治体です。
| 順位 | 自治体名 | DXスコア | 全国順位 | 人口 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 射水市 | 84.8点 | 全国29位 | 90,742人 |
| 2位 | 富山市 | 79.2点 | 全国99位 | 413,938人 |
| 3位 | 魚津市 | 77.4点 | 全国121位 | 40,535人 |
| 4位 | 氷見市 | 75.3点 | 全国159位 | 43,950人 |
| 5位 | 滑川市 | 71.0点 | 全国251位 | 32,349人 |
射水市は県内1位であり、全国29位という高い評価を受けています。特に「AI・RPA・テレワーク」(100.0点)と「オンライン利用率」(100.0点)で満点を達成しており、市民のデジタルサービス利用が活発で、職員の業務効率化が進んでいる好事例です。DX推進体制も85.7点と高く、組織横断的なDX推進が実現しています。
富山市(県内2位、全国99位)は県内最大の人口を抱える都市です。DX推進体制で100.0点の満点を獲得し、県庁所在地としての組織力が強みとなっています。公開手続のオンライン化(42.0点)でも県内上位を記録するなど、市民利便性の向上に力を入れています。
魚津市、氷見市、滑川市は中核市として、それぞれ独自のDX戦略を展開しています。特に魚津市と氷見市はAI・RPA・テレワークで100.0点を達成しており、人口規模の小さい自治体でも先進的な業務改革が可能であることを示しています。
県内でDXが遅れている自治体の実態
一方で、県内にはDX推進に課題を抱える自治体も存在します。以下の3自治体が全国的に見ても低いスコアとなっています。
朝日町(37.2点、全国1407位)は県内最低スコアです。「AI・RPA・テレワーク」が16.7点、「オンライン利用率」が6.8点、「32手続オンライン化」が9.0点と、すべてのカテゴリで深刻な遅れが見られます。人口11,081人の小規模町村ですが、DX推進体制はしっかりしている(71.4点)ため、技術導入とオンライン化の具体的な支援が必要な状況です。
砺波市(46.2点、全国1124位)は人口48,154人という中規模市でありながら、DX推進体制が42.9点と低く、組織的なDX戦略の立案が急務です。一方、AI・RPA・テレワークは83.3点と比較的高く、技術面では準備ができている可能性があります。
小矢部市(58.2点、全国705位)は県内では中程度のスコアですが、「オンライン利用率」が10.8点と極めて低く、市民のデジタルサービス利用促進が課題です。
富山県がDX先進県である理由
富山県が全国2位の高いDXスコアを達成している背景には、いくつかの要因が考えられます。
第一に、製造業が集積した産業構造があります。富山県は医療機器、化学、金属加工などの製造業が発達しており、これらの産業がDX推進の必要性を強く認識してきました。その産業界のDX機運が、行政のDX推進にも波及している可能性があります。
第二に、県庁や主要自治体の強いリーダーシップです。富山市のDX推進体制100.0点、射水市の総合的なDX展開など、大都市が牽引役となって県全体のレベルを押し上げています。
第三に、マイナンバーカード普及率の高さです。県内平均85.1点(全国平均82.0点)となっており、市民がすでにデジタル化された行政サービスの利用環境に慣れています。
県内で全国TOP100入りした自治体は射水市と富山市の2自治体にとどまります。県全体の底上げには、中堅自治体のDX推進体制の整備と、全自治体におけるオンライン手続の拡充が焦点となるでしょう。
まとめと今後の展開
富山県は全国2位のDXスコアを達成した先進県です。しかし、県内の自治体間に大きな格差があり、県全体としてのDX推進にはさらなる工夫が必要です。
今後、県が優先すべき課題は以下の3点です。第一に、低スコア自治体への技術支援と人材育成の強化。第二に、32手続のオンライン化率の引き上げ(現在32.1点)。第三に、小規模自治体における市民のオンライン利用率向上です。
射水市や富山市の先進事例を県内全域で展開することができれば、富山県は日本を代表するDX先進県としての地位をさらに確立できるでしょう。
富山県内の全市区町村DXスコアの詳細は、県内市区町村一覧ページでご確認いただけます。各自治体の個別スコア、カテゴリ別分析、推移データなど、より詳しい情報を掲載しています。
出典:総務省 令和6年度調査(地域スコア集計)