滋賀県のDX推進状況|全国トップクラスの成績

滋賀県は令和6年度の自治体DXスコア調査において、総合スコア63.5点を獲得し、全国6位にランクインしました。全国平均の54.5点を大きく上回る成績です。県内19の市区町村の平均スコアも63.5点で、全国市区町村平均の53.1点を10点以上上回っており、県全体として高いDX推進水準を維持しています。

滋賀県の特筆すべき点は、AI・RPA・テレワークのスコア(76.3点)とマイナンバーカード普及率(83.0点)です。いずれも全国平均を大きく超え、デジタル技術の実装と住民向けデジタル基盤の構築が進んでいることが分かります。一方、32手続のオンライン化(37.8点)は全国平均を上回るものの、さらなる改善の余地があります。

滋賀県の総合DXスコア:63.5点(全国6位)
県内市区町村平均も63.5点で、全国市区町村平均53.1点を大きく上回る高い水準を維持しています。

県内市区町村DXランキングTOP5

滋賀県内の市区町村を総合スコアでランキングすると、以下の5自治体が上位を占めています。

順位 自治体名 総合スコア 全国順位 人口
1位 草津市 89.0点 全国10位 143,913人
2位 愛荘町 81.6点 全国56位 20,893人
3位 彦根市 80.5点 全国76位 113,647人
4位 守山市 80.2点 全国86位 83,236人
5位 大津市 74.6点 全国169位 345,070人

草津市県内で圧倒的な1位。総合スコア89.0点で全国10位にランクインします。DX推進体制、AI/RPA/テレワーク、オンライン利用率でいずれも満点相当の100.0点を達成。14万人を超える人口を抱えながら、市民向けのデジタルサービス提供が非常に充実しており、県内DXのモデル自治体といえます。

愛荘町人口2万人強の小規模自治体ながら、全国56位という高順位を達成。DX推進体制と業務効率化(AI/RPA/テレワーク)で100.0点を獲得しており、規模の小ささを逆に活かした機動的で先進的なDX推進が実現しています。

彦根市守山市11万人と8万人の都市規模でスコア80点超を達成。両市ともAI/RPA/テレワークで100.0点を獲得し、業務プロセスの高度なデジタル化が進んでいます。特にオンライン利用率も100.0点と、市民の利便性向上が実現しています。

大津市県庁所在地として34万人の大規模人口を抱える大津市は74.6点で県内5位。32手続のオンライン化で79.0点と県内トップのスコアを示す一方、オンライン利用率が26.9点にとどまっており、提供サービスと実利用の間に乖離があることが課題として浮かび上がります。

全国TOP100入りは4自治体
草津市(10位)、愛荘町(56位)、彦根市(76位)、守山市(86位)が全国100位以内に入賞しており、滋賀県内の上位層が全国的に見ても優秀であることが示されています。

DX推進が課題の自治体と現状

一方、県内でDX推進が遅れている自治体も存在します。最も低いスコアは甲良町の24.9点で、全国1666位という状況です。

甲良町(24.9点、全国1666位)】人口6,362人の小規模町村。DX推進体制が28.6点、AI/RPA/テレワークが0.0点と、デジタル技術の実装がほぼ進んでいない状況が明らかです。オンライン利用率も12.2点にとどまり、住民のデジタルサービス利用が極めて低調です。

豊郷町(38.9点、全国1360位)】人口7,132人の町。DX推進体制が14.3点と極めて低く、組織的なデジタル化の取り組みが不足しています。

野洲市(39.0点、全国1349位)】人口5万人を超える市規模でありながら、スコア39.0点にとどまっています。特にオンライン利用率の12.7点は深刻で、せっかく整備したサービスが市民に活用されていない可能性があります。

県内スコア格差:64.1点
最高の草津市(89.0点)と最低の甲良町(24.9点)の差は64.1点で、県内での地域デジタル格差が大きいことが課題です。

なぜこのような順位になるのか|背景と地域特性の分析

滋賀県内でのDXスコア格差が大きい背景には、複数の要因があります。

1. 自治体の組織規模と人的資源 草津市彦根市などの人口10万人超の市は、専任のDX推進部署を設置し、デジタル人材を確保できる体制を整えています。一方、小規模町村では人口数千人という体制で複数業務を兼務し、DX推進に専念できる職員が極めて限られている状況です。

2. 予算規模と投資力 人口規模が大きい自治体ほど一般会計予算が大きく、DXシステムへの投資が可能です。小規模自治体では、既存システムの維持管理だけで予算が消費され、新規のDX施策に充てる余裕がありません。

3. 立地と交通利便性 大津市周辺や南部の自治体は京阪神への交通利便性が高く、IT企業や外部DX支援事業者とのネットワーク構築が容易です。一方、北部の山間部に位置する小規模自治体は地理的に孤立しやすく、外部リソースへのアクセスが限定的です。

4. 広域連携の取り組み 愛荘町が小規模ながら高スコアを達成しているのは、広域行政圏における共同システム構築や県の支援制度を活用した効率的なDX推進が実現していることの証といえます。

特に注目すべきは、大津市における「提供サービスと利用率のギャップ」です。32手続のオンライン化で高スコアを獲得しながら、オンライン利用率が26.9点にとどまる背景には、市民への周知不足やシステムの使いやすさの問題、あるいは高齢化による利用世代の限定がある可能性があります。

滋賀県のDX推進に向けた課題と今後の展望

滋賀県全体として高いDX水準を維持する一方で、以下の課題が明らかになっています。

課題1:32手続オンライン化の低さ(37.8点) 県全体で見ても全国平均を上回るものの、まだ13自治体で20点以下にとどまっています。市民生活に密着した申請手続のオンライン化を優先的に推し進める必要があります。

課題2:地域デジタル格差の拡大 県内スコア格差64.1点という大きな開きは、サービス格差につながり、住民の生活利便性に直結する問題です。小規模自治体への支援強化と広域連携の推進が急務です。

課題3:オンライン利用率の向上 複数の自治体でサービス提供と利用率に乖離が見られます。技術提供だけでなく、市民への啓発活動やデジタルリテラシー向上施策が重要です。

滋賀県は「比叡山・琵琶湖の豊かな自然と高度なデジタル社会の共存」を目指すビジョンを掲げ、県主導での広域連携によるDX推進支援強化に取り組んでいます。小規模自治体のボトムアップを実現することで、県全体のDXレベルをさらに引き上げることが期待されています。

まとめ

滋賀県は全国6位という高いDX推進水準を達成しており、特に草津市愛荘町彦根市守山市の4自治体が全国100位以内にランクインするなど、優秀な事例が複数存在します。AI・RPA・テレワークやマイナンバーカード普及率では全国トップクラスの成績です。

一方、県内での地域デジタル格差は大きく、最大64.1点の開きが存在します。小規模自治体への支援強化、32手続オンライン化の促進、市民のデジタル利用率向上といった課題が残されています。

今後、滋賀県全体が一体となって、すべての市区町村でDX推進を加速させることができれば、全国でも有数のデジタル先進県へと進化することは十分に可能です。

滋賀県内の全市区町村のDXスコアや詳細なカテゴリ別成績については、滋賀県市区町村DXスコア一覧ページをご覧ください。

【出典】総務省 令和6年度調査(地域スコア集計)