佐賀県のDX総合スコア|全国29位の現状と課題

佐賀県の自治体DX推進指数(総合スコア)は53.4点で、全国47都道府県中29位となっています。全国都道府県平均の54.5点と比較すると、わずかに下回る水準です。県内20の市区町村を対象とした平均スコアは53.4点で、全国市区町村平均の53.1点と同等レベルであり、地域全体としては標準的なDX推進状況にあると言えます。

注目すべき点は、5つの評価カテゴリにおけるばらつきです。マイナンバーカード普及率は85.3点と全国平均82.0点を上回る好成績を収めている一方で、32手続のオンライン化率は24.2点に留まり、全国平均33.2点から大きく遅れています。この差は、住民向けサービスのデジタル化において、佐賀県全体が課題を抱えていることを示しています。

佐賀県DX総合スコア:53.4点(全国29位/47都道府県)
県内市区町村平均:53.4点(全国平均53.1点)
県内スコア格差:51.0点(最高81.3点~最低30.3点)

県内市区町村TOP5|先進地の取り組みと特徴

順位 自治体名 DXスコア 全国順位 人口
1位 佐賀市 81.3点 全国61位 233,301人
2位 白石町 77.6点 全国116位 22,051人
3位 嬉野市 73.8点 全国188位 25,848人
4位 鳥栖市 69.7点 全国297位 74,196人
5位 武雄市 64.6点 全国471位 47,914人

第1位:佐賀市(81.3点、全国61位)
県庁所在地である佐賀市は、県内で唯一全国TOP100入りを果たしています。AI・RPA・テレワークおよびオンライン利用率の両項目で満点(100点)を獲得し、DX推進体制も85.7点と高水準です。県内最大規模の人口を背景に、組織的なDX推進が進んでいる様子がうかがえます。

第2位:白石町(77.6点、全国116位)
人口22,000人余りの小規模自治体でありながら、高いDXスコアを実現しています。AI・RPA・テレワークとオンライン利用率で満点を達成し、限定的なリソースの中で効率的なDX推進が行われていることが伺えます。

第3位:嬉野市(73.8点、全国188位)
観光地として知られる嬉野市も、DX推進において先進的な取り組みを展開しています。マイナンバーカード普及率87.7点は県内でも高く、AI・RPA・テレワークでも100点を獲得しています。

第4位・第5位:鳥栖市武雄市
鳥栖市(69.7点)と武雄市(64.6点)も県内上位を占めていますが、AI・RPA・テレワーク項目で若干の課題が見られます。特に武雄市は33.3点と、今後の強化が期待される分野です。

DX推進が遅れている自治体|課題と原因分析

一方、県内でDX推進が遅れている自治体も存在します。最もスコアが低い有田町(30.3点)では、DX推進体制がゼロ点となっており、組織的なDX戦略が構築されていない可能性があります。太良町(30.7点)とも合わせ、32手続オンライン化率が20点以下に留まっています。

低スコア自治体の特徴:
有田町(30.3点):DX推進体制0.0点
太良町(30.7点):オンライン利用率3.2点
吉野ヶ里町(31.8点):AI/RPA/テレワーク0.0点

特に懸念される点は、住民のオンライン利用率です。太良町の3.2点、吉野ヶ里町の8.3点と、デジタルサービスが十分に活用されていない現状が明らかです。これらの自治体では、DXインフラの整備とともに、住民教育やデジタル利用環境の向上が重要な課題となっています。

佐賀県のDX推進状況|地域特性と推進の背景

県内市区町村の間に51.0点という大きなスコア格差が生じている理由は、複数の要因が考えられます。第一に、規模の差です。佐賀市を筆頭とした人口規模の大きな自治体では、DX推進に充当できる予算と人材が相対的に豊富であり、組織的な取り組みが容易です。一方、人口20,000人以下の小規模自治体では、専任のDX担当者の配置さえ困難な場合もあります。

第二に、DX推進体制の構築状況です。佐賀市白石町など上位自治体のDX推進体制スコアが高いことは、明確なDX戦略と実行体制が整備されていることを示唆しています。これに対し、有田町のように体制スコアがゼロの自治体では、DX推進の司令塔機能が十分に確立されていないと考えられます。

第三に、デジタルリテラシーの地域差です。オンライン利用率の項目で大きな差が出ていることから、住民のデジタル活用能力や意識に地域による違いがあることが窺えます。高齢化が進む地域では、デジタル活用の促進に時間がかかる傾向があります。

興味深いことに、32手続のオンライン化率では、県全体が全国平均を下回っています(24.2点 vs 33.2点)。これは申請・届出手続のデジタル化が全県的に遅れていることを示しており、佐賀県として統一的に推進すべき重要課題です。マイナンバーカードの普及率が高いという基盤を活かしながら、マイナポータルを通じた手続のオンライン化を加速させることが、県全体のDX向上につながるでしょう。

今後の展開|佐賀県全体のDX推進に向けて

佐賀県が全国平均を超えるDX推進県になるためには、複数の施策が考えられます。まず、低スコア自治体に対する支援の強化が急務です。DX推進体制の構築支援、デジタル人材の育成・確保、先進事例の横展開など、県域レベルでの支援が有効です。

次に、32手続のオンライン化率向上は全県的なテーマです。マイナンバーカード普及率85.3点という強みを活かし、各自治体が提供する主要手続をマイナポータルで完結できる環境整備が重要です。

さらに、AI・RPA・テレワークの活用についても、全体的な底上げが必要です。上位自治体の事例を参考にしながら、業務効率化を通じた職員負担の軽減と住民サービスの向上を同時に実現することが、DX推進の本来の目的です。

佐賀県内の市区町村別スコア詳細、各自治体のDX推進施策についてさらに詳しく知りたい方は、佐賀県の市区町村DXスコア一覧ページをご覧ください。全20自治体の詳細データと分析を掲載しています。

※本データは総務省 令和6年度調査(地域スコア集計)に基づいています。