新潟県のDX総合スコア|全国平均を下回る53.6点
新潟県の自治体DX総合スコアは53.6点で、全国28位(47都道府県中)となっています。全国平均の54.5点と比較すると0.9点下回っており、全国水準と同等のレベルにあります。しかし、県内の市区町村間におけるスコア格差は非常に大きく、最高の86.6点から最低の14.7点までの間に71.9点もの開きが存在することが大きな特徴です。
5つのカテゴリ別に見ると、マイナンバーカード普及(83.2点)が突出して高い一方で、32手続オンライン化(31.8点)が全国平均の33.2点を下回り、課題となっていることがわかります。県内市区町村の平均スコアは53.6点で、全国市区町村平均の53.1点をわずかに上回っており、県全体の底上げが進む一方で、自治体間の格差解消が急務となっています。
全国平均との比較: -0.9点 | 県内自治体間の格差: 71.9点
県内市区町村TOP5ランキング|新潟市が全国18位で圧倒
| 順位 | 市区町村名 | DXスコア | 全国順位 | 人口 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 新潟市 | 86.6点 | 全国18位 | 789,275人 |
| 2位 | 上越市 | 82.3点 | 全国47位 | 188,047人 |
| 3位 | 村上市 | 78.7点 | 全国105位 | 57,418人 |
| 4位 | 見附市 | 74.1点 | 全国181位 | 39,237人 |
| 5位 | 佐渡市 | 73.4点 | 全国198位 | 51,492人 |
【1位】新潟市(86.6点・全国18位)
県内のDX推進をリードする新潟市は、県内で唯一全国TOP20入りを果たしています。DX推進体制(100.0点)とオンライン利用率(100.0点)で満点を獲得し、32手続オンライン化(64.0点)でも県内平均を大きく上回る実績を上げています。県庁所在地として、システム投資やDX人材確保の面で恵まれた環境が、高スコアを実現する基盤となっています。
【2位】上越市(82.3点・全国47位)
上越市は、AI/RPA/テレワーク(100.0点)とオンライン利用率(100.0点)で完璧なスコアを獲得し、DX技術活用の面で新潟市に次ぐ実績を示しています。人口18万人超の中核市として、職員のテレワーク環境整備やデジタルツール導入に先進的に取り組んでいることが高評価につながっています。
【3位】村上市(78.7点・全国105位)
人口5万7千人程度の市としては非常に高いスコアを達成した村上市。DX推進体制(85.7点)とAI/RPA/テレワーク(100.0点)での高得点が特徴です。オンライン利用率も100.0点と、市民のデジタルサービス利用が定着していることがうかがえます。
見附市と佐渡市も県内上位を占めており、いずれもオンライン利用率で100.0点を記録しています。両市ともDX推進体制とマイナンバーカード関連で70点台後半の得点を確保しており、県内の「DX推進自治体」グループを形成しています。
県内でDXが遅れている自治体の課題
一方、新潟県内には深刻なDX格差が存在します。最もスコアが低い3つの自治体の状況は以下の通りです。
【田上町】14.7点(全国1737位)
DX推進体制(0.0点)とAI/RPA/テレワーク(0.0点)でスコアを獲得できず、32手続オンライン化(6.0点)もほぼ実施されていない状況が明らかです。人口1万1千人超の町であっても、DX推進の体制整備や人材確保が進んでいないものと推測されます。
【関川村】21.2点(全国1706位)
人口5千人強の小規模村として、AI/RPA/テレワーク(0.0点)やオンライン利用率(0.1点)がほぼゼロに近い値となっています。オンライン手続の整備と並行して、市民のデジタルリテラシー向上も課題です。
【聖籠町】26.8点(全国1634位)
人口1万4千人の町で、DX推進体制(14.3点)が最小限にとどまっています。マイナンバーカード普及(84.5点)だけは全国並みであるものの、その他のカテゴリでの取り組みが不足している状況が見て取れます。
県内上位2自治体は全国TOP100入り、下位2自治体は全国WORST100入り。同じ県内でも自治体間のDX推進レベルに大きな開きがあります。
なぜこの順位差が生まれるのか|考察と背景
新潟県内における大きなDX格差の背景には、複数の要因が考えられます。
人口規模と財政基盤の差
新潟市(人口約79万人)と小規模自治体の間には、財政規模で10倍以上の差があります。DX推進には専門人材の採用やシステム構築に相当な投資が必要となるため、予算が限定される小規模自治体ほど対応が遅れる傾向にあります。
地域の産業特性と企業DX連携
新潟市や上越市など都市部は、地元IT企業との連携やデジタル産業の集積が進みやすく、DX推進に有利な環境があります。これに対し、農業地域や過疎地では産業界全体のDX意識が低い傾向があり、行政のDX推進への優先度も相対的に下がる可能性があります。
DX推進体制の構築状況
県内で全国TOP100に入る自治体は新潟市と上越市の2市のみ(新潟市は全国18位、上越市は全国47位)です。これらの自治体では、専任のDX推進部門の設置や外部人材の採用が進んでいるものと考えられます。
32手続オンライン化の進捗度
県全体で32手続オンライン化は31.8点と全国平均の33.2点を下回っており、この項目が県全体のスコア向上を阻害する最大の課題となっています。新潟市が64.0点と突出している一方で、小規模自治体では24.0点以下にとどまっており、オンライン化の推進体制に大きな格差があることが浮き彫りになっています。
まとめ|県全体のDX推進に向けた課題と展開
新潟県のDX総合スコア53.6点は全国並みであるものの、県内自治体間の71.9点もの格差は極めて深刻です。新潟市と上越市が牽引役となってDX推進を進める一方で、小規模自治体ではDX推進体制そのものが未構築の状態が続いています。
今後の県内DX推進には、以下のポイントが重要となります:
①先進自治体(新潟市・上越市)のノウハウを県全体で共有する仕組みづくり
②小規模自治体向けのDX推進予算措置と人材支援体制の充実
③32手続オンライン化の加速—これが県全体のスコア向上の鍵となります
④オンライン利用率の向上に向けた市民向けデジタルリテラシー向上施策
県庁がハブとなり、「新潟県全体のDXレベル底上げ」と「先進自治体のさらなる高度化」の二層的なアプローチが求められています。
県内30市区町村の詳細なDXスコアと各自治体の取り組み内容については、新潟県内全自治体DXスコア一覧ページでご覧いただけます。
出典:総務省 令和6年度調査(地域スコア集計)