長崎県のDX推進状況|全国21位の実績と課題
長崎県の自治体DX総合スコアは56.2点で、全国47都道府県中21位にランクされています。全国都道府県平均の54.5点を上回り、DX推進において全国平均レベルの進捗状況にあります。
県内21の市区町村の平均スコアは56.2点で、全国市区町村平均の53.1点を3.1点上回っており、県全体として良好な水準を保っています。しかし、最高スコアの佐世保市が85.4点である一方、最低の佐々町は32.7点と、県内での格差が52.7点に及んでいることが顕著な課題です。
カテゴリ別では、マイナンバーカードの普及率で84.1点と全国平均(82.0点)を上回る成果が見られます。一方で、32手続のオンライン化は30.0点に留まり、全国平均の33.2点を下回っており、この分野での改善が急務となっています。
長崎県DX総合スコア:56.2点(全国21位)
県内市区町村平均:56.2点(全国平均53.1点)
スコア格差:最高85.4点~最低32.7点(差52.7点)
県内市区町村DXランキングTOP5
| 順位 | 市区町村名 | 総合スコア | 全国順位 | 人口 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 佐世保市 | 85.4点 | 全国24位 | 243,223人 | DX推進体制100.0、オンライン利用率100.0 |
| 2位 | 諫早市 | 75.7点 | 全国148位 | 133,852人 | AI/RPA/テレワーク83.3、オンライン利用率100.0 |
| 3位 | 対馬市 | 73.2点 | 全国202位 | 28,502人 | 32手続オンライン化65.0、全項目高水準 |
| 4位 | 平戸市 | 72.1点 | 全国224位 | 29,365人 | AI/RPA/テレワーク100.0、オンライン利用率100.0 |
| 5位 | 五島市 | 67.5点 | 全国369位 | 34,391人 | オンライン利用率100.0 |
佐世保市は県内トップで、全国でも24位という高い実績を上げています。DX推進体制が満点の100.0点であり、組織的な取り組みが徹底されていることが強みです。また、オンライン利用率も100.0点を達成し、市民のデジタルサービス利用が浸透しています。人口24万超の地域中核都市として、規模を活かしたDX推進が成功事例となっています。
諫早市は県内第2位で、AI/RPAやテレワーク導入が進んでいます。オンライン利用率100.0点と市民のデジタル化も進んでおり、県内でも積極的なDX施策を展開していることが窺えます。
対馬市は人口約2.8万の離島自治体ながら73.2点を達成し、特に32手続のオンライン化が65.0点と県内で最も高い水準にあります。地理的制約を補うためのオンライン化推進が功を奏しています。
平戸市と五島市も同様に離島自治体でありながら、オンライン利用率100.0点を達成するなど、住民サービスのデジタル化に成功しています。
DXが遅れている自治体と課題
一方、スコアが低い自治体も存在します。佐々町は32.7点で全国1516位と最も遅れており、特にAI/RPA/テレワークが0.0点、オンライン利用率が8.2点と極めて低い水準にあります。人口約1.4万の小規模自治体として、DX推進のための人的リソースや予算の不足が課題と考えられます。
雲仙市は39.4点(全国1335位)で、DX推進体制が14.3点と極めて低くなっています。AI/RPA/テレワークは83.3点と高いものの、全体的な推進体制の整備が遅れており、組織横断的なDX戦略の構築が必要です。
時津町は42.0点(全国1272位)で、オンライン利用率が6.0点と著しく低い状況にあります。住民のデジタルサービス利用をいかに促進するかが重要な課題となっています。
県内DXスコアが低い自治体の共通課題
・小規模自治体におけるDX人材・予算の不足
・オンライン利用率の極端な低さ
・DX推進体制の不十分な整備
・32手続のオンライン化率が全国平均未満
長崎県のDX格差と背景分析
長崎県の市区町村別スコア格差が52.7点に達しているのは、自治体規模と地理的条件による影響が大きいと考えられます。
佐世保市や諫早市などの人口13万人以上の自治体は、DX推進専門チームの設置や大規模システム投資が可能であり、組織的なDX推進体制の構築に成功しています。一方、人口1~4万人の小規模自治体では、限られた予算と人員の中でDX推進を進める必要があり、優先順位の決定や効率的なリソース配分が課題となっています。
注目すべきは、対馬市や平戸市などの離島自治体が高いスコアを維持していることです。これらの自治体は、地理的に遠隔であることの不便さを補うため、オンラインサービスの充実に積極的に取り組んでいます。特にオンライン利用率が100.0点に達しているのは、住民がオンラインサービスに依存する必然性があるためと推測されます。
県全体では、マイナンバーカード普及率が84.1点と高水準である一方、32手続のオンライン化が30.0点に留まっているという矛盾が見られます。これは、インフラ(マイナンバーカード)の整備は進みつつも、実際のサービスのオンライン化が追いついていない状況を示しています。県として、オンライン化可能な手続の標準化やシステム導入支援を強化する必要があります。
まとめ|長崎県のDX推進の方向性
長崎県は全国平均を上回るDX水準を維持していますが、市区町村間の格差是正が重要な課題です。佐世保市の成功事例を他の自治体へ横展開し、特に小規模自治体向けのDX支援プログラムの拡充が求められます。
カテゴリ別では、マイナンバーカード普及率の高さを活かし、オンライン手続化を急速に進めることで、県全体のスコア向上が期待できます。32手続のオンライン化率を全国平均以上に引き上げることが、次のステップとなるでしょう。
また、オンライン利用率の低い自治体に対しては、住民向けのデジタルリテラシー教育や、分かりやすいオンラインサービスのUI/UX改善などの施策が有効と考えられます。
長崎県のDX推進は、規模や立地条件に関わらず、全ての市区町村が誇れるデジタル社会の実現へ向けて、次の段階へ進む必要があります。
※データ出典:総務省 令和6年度調査(地域スコア集計)
長崎県内の全市区町村の詳細なDXスコア、カテゴリ別評価、推移をご覧になりたい場合は、長崎県の市区町村別DXランキング一覧ページをご参照ください。