宮崎県のDX総合スコア|全国32位の現状分析

宮崎県の自治体DX推進状況を測定する総合スコアは52.2点で、全国32位に位置しています。全国都道府県平均の54.5点と比較すると、わずかに下回っている状況です。県内26の市区町村の平均スコアも52.2点で、全国市区町村平均の53.1点より低い水準にあります。

注目すべき点は、県内でのスコア格差の大きさです。最高スコアの都城市が93.0点である一方、最低の五ヶ瀬町は27.6点であり、その差は65.4点に達しています。この大きな格差は、自治体規模や組織体制の差異によるDX推進体制の構築状況の違いを象徴しています。

5つの評価カテゴリ別では、マイナンバーカード関連が85.2点と最も高い成果を上げています。一方、32手続のオンライン化は27.8点と全国平均の33.2点から大きく遅れており、行政サービスのデジタル化推進が課題となっています。

県内市区町村DXスコアランキング TOP5

順位 市区町村名 総合スコア 全国順位 人口
1位 都城市 93.0点 全国2位 160,640人
2位 宮崎市 85.4点 全国23位 401,339人
3位 日向市 85.1点 全国27位 59,629人
4位 新富町 69.8点 全国291位 16,564人
5位 延岡市 66.4点 全国406位 118,394人

県内TOP3自治体の特徴

1位・都城市(93.0点・全国2位)は、宮崎県内で圧倒的なDX推進を実現しています。DX推進体制とAI/RPA/テレワーク、オンライン利用率の3カテゴリで満点の100.0点を獲得しており、32手続オンライン化も73.0点と高い水準です。県内市区町村の中でも全国の上位レベルのパフォーマンスを発揮し、デジタル行政サービスの実装において他の自治体の先行事例となっています。

2位・宮崎市(85.4点・全国23位)は、県庁所在地として中核的なDX推進を担っています。県内最大の人口401,339人を有し、AI/RPA/テレワークとオンライン利用率の2つのカテゴリで100点を達成しています。県全体のDX水準向上をけん引する存在として、広域的な影響力を持っています。

3位・日向市(85.1点・全国27位)は、人口約60,000人の中堅自治体ながら高いDXスコアを実現しています。DX推進体制とAI/RPA/テレワークで100点を獲得し、マイナンバーカード対応やオンライン利用率も高く、バランスの取れたDX推進が特徴です。

重要:宮崎県内では3自治体(都城市宮崎市日向市)が全国TOP100に入賞しており、これらが県全体のDX推進をけん引しています。

DXが遅れている自治体と課題

県内でDXスコアが低い自治体として、五ヶ瀬町(27.6点・全国1621位)、高千穂町(31.4点・全国1547位)、国富町(35.0点・全国1458位)が挙げられます。これら3自治体は人口3,000~18,000人規模の比較的小規模な自治体です。

五ヶ瀬町は、AI/RPA/テレワークで0点という最大の課題を抱えています。人口3,472人と県内で最も小規模な自治体であり、DX推進に必要な組織規模や専門人材の確保が困難な状況が推測されます。ただし、マイナンバーカード対応は82.5点と健全であり、基礎的な行政デジタル化では対応しているものの、高度なデジタル技術導入の面で遅れが顕著です。

高千穂町では、DX推進体制が14.3点という極めて低い数値となっており、組織的なDX戦略の構築と実行体制の整備が急務です。AI/RPA/テレワークも33.3点に留まっており、職員のデジタルスキル向上とテレワーク環境の整備が必要とされています。

国富町も、DX推進体制(28.6点)とAI/RPA/テレワーク(16.7点)で低いスコアを記録しており、組織的なDX推進基盤の構築が遅れている状況です。オンライン利用率が14.0点と低いことから、住民のオンラインサービス利用習慣も未発達であることが課題となっています。

注目:宮崎県内ではWORST100に入る自治体はありませんが、人口規模の小さい自治体を中心にDX推進体制の構築が課題です。

考察・背景|なぜこの順位差が生まれるのか

宮崎県内でのDXスコア格差が生じている背景には、複数の要因が存在します。

1. 自治体規模と組織体制の差異
都城市宮崎市などのスコア上位自治体は、人口規模が大きく、専門的なDX推進部門や情報システム担当部署を独立させることが可能です。一方、五ヶ瀬町高千穂町などの小規模自治体では、限られた職員で多くの業務を担当しており、DXに特化した組織体制を整備することが難しい状況にあります。

2. 広域連携とシステム共有の進捗差
県内のスコア上位自治体は、独立したシステム開発や運用体制を構築できる一方で、小規模自治体では県や広域連合主導の共有システムへの依存度が高まります。この差が、32手続のオンライン化など、カスタマイズされたサービス提供の面での格差につながっている可能性があります。

3. DX人材と予算配分の地域差
都市圏に集中するデジタル人材と予算資源が、スコア上位自治体への集中をもたらしています。農村部や山間部の小規模自治体では、デジタル人材の確保と育成に投資できる余裕が限定的であり、DX推進が停滞しやすい構造になっています。

4. 県内での産業構造と地域経済
都城市は農業機械関連産業など製造業が発達し、宮崎市は県庁機能と商業が集中する県都としての優位性を持ちます。これらの地域では、民間企業のDX推進に伴う人材育成やシステム投資が進み、行政のDXにも波及効果をもたらしています。一方、過疎化が進む山間部自治体では、こうした外部環境からの促進力が弱い状況にあります。

宮崎県のDX推進の今後に向けて

宮崎県全体のDX水準を向上させるには、県内での格差縮小が重要課題です。都城市宮崎市の先進事例を他の自治体へ横展開し、特に小規模自治体に対する県主導の支援体制の強化が求められます。

32手続のオンライン化が全国平均を大きく下回る現状は、県全体で改善の余地が大きい領域です。利用者目線でのサービス設計と継続的な使いやすさの向上に取り組むことで、オンライン利用率の向上にもつながるでしょう。

また、AI/RPA/テレワークのカテゴリでは、小規模自治体を中心に導入が進んでいません。県が統一的なシステムやガイドラインを提供し、各自治体が段階的に導入できる環境整備が重要です。

宮崎県内の全26市区町村のDXスコアと詳細については、こちらの宮崎県市区町村別DXスコア一覧ページでご確認いただけます。各自治体の取り組み内容や課題の詳細情報をご参照ください。

出典:総務省 令和6年度調査(地域スコア集計)