三重県のDX総合スコアと全国における位置づけ

三重県の自治体DX推進スコアは54.5点で、全国24位(47都道府県中)という結果となっています。全国都道府県平均も54.5点のため、ちょうど平均水準に位置していることが分かります。

県内29市区町村のDX推進状況は多様で、平均スコアは54.5点と全国市区町村平均(53.1点)を上回っていますが、最高スコアの79.2点から最低の26.7点まで実に52.5点の開きがあります。この大きな格差は、市部と町村部、規模の大きさによるリソース差が影響していると考えられます。

三重県内で全国TOP100入りしているのは伊勢市のみ(全国98位)。これは県内DX推進の象徴的存在となっており、他の自治体の目指すべきモデルとなっています。

県内市区町村DXスコアTOP5ランキング

三重県内でDX推進が最も進んでいる5つの自治体をご紹介します。

順位 自治体名 DXスコア 全国順位 人口
1位 伊勢市 79.2点 全国98位 122,765人
2位 鈴鹿市 75.9点 全国142位 195,670人
3位 四日市市 73.3点 全国199位 305,424人
4位 桑名市 73.2点 全国204位 138,613人
5位 熊野市 68.8点 全国323位 15,965人

各自治体の特徴

1位・伊勢市(79.2点)は、県内唯一の全国TOP100入り自治体です。DX推進体制が85.7点、AI/RPA/テレワークが83.3点と高水準を達成し、特にオンライン利用率が100.0点と市民の利用が非常に活発です。32手続オンライン化も45.0点と県内では高く、伊勢市の観光地としての知名度と相まって、デジタル施策が市民に浸透していることが窺えます。

2位・鈴鹿市(75.9点)は、県内第2位の人口規模を活かし、DX推進体制と技術導入(AI/RPA)で85.7点と83.3点を獲得。やはりオンライン利用率は100.0点です。ただし32手続オンライン化は28.0点と課題があり、今後の改善が期待されます。

3位・四日市市(73.3点)は県内最大の人口規模(305,424人)を持ちながらも、DX推進体制では57.1点と中程度の成績となっています。一方、AI/RPA/テレワークでは100.0点を達成し、技術導入面での先進性が目立ちます。

4位・桑名市(73.2点)は、32手続オンライン化で50.0点と県内最高スコアを記録。DX推進体制は42.9点と改善の余地がありますが、市民向けのオンラインサービス整備に注力している姿勢が明確です。

5位・熊野市(68.8点)は、人口15,965人という比較的小規模な自治体ながら68.8点を達成。オンライン利用率100.0点と市民の利用が高く、小規模自治体でもDX推進が十分に可能であることを示しています。

DX推進が遅れている自治体と課題

一方、県内でDX推進が課題となっている自治体も存在します。

多気町(26.7点、全国1635位)は、県内最低スコアとなっています。特に注目すべきは、AI/RPA/テレワークが0.0点であること。また、32手続オンライン化も14.0点、オンライン利用率が21.7点と、市民側のデジタルサービス利用が進んでいないことが課題です。DX推進体制が28.6点と最小限度に留まっており、組織的なDX戦略の立案と実装が急務です。

大紀町(31.2点、全国1550位)も同様にAI/RPA/テレワークが0.0点で、オンライン利用率が3.7点と極めて低い状況です。人口7,815人と小規模自治体であり、リソース不足が大きな要因と考えられます。

鳥羽市(32.0点、全国1534位)は、DX推進体制が14.3点と県内で最も低く、組織的なDX推進体制の構築が緊急課題となっています。ただし、オンライン利用率は63.4点と他の低スコア自治体と比べて高く、市民側に利用希望があることが分かります。

小規模町村部では、職員の不足や予算制約がDX推進の大きな障壁となっています。県内でWORST100に入る自治体がないことは唯一の救いですが、全体的な底上げが必要な状況です。

三重県のDX推進における特徴と考察

三重県全体のDXスコア内訳を見ると、カテゴリ別に興味深い特徴が浮かび上がります。

マイナンバーカード普及では全国平均を上回ることが特筆すべき点です。三重県は81.1点で、全国平均82.0点とほぼ同等。カードの発行・利用環境が比較的整備されていることが分かります。

しかし、最大の課題は「32手続オンライン化」が27.3点と全国平均(33.2点)を大きく下回ることです。これは、行政手続のオンライン化がまだ十分に進んでいないことを意味します。マイナンバーカードは普及しているものの、それを活用した手続が限定的であることが、システム化の遅れを示唆しています。

都市部と地方部の二極化

一方で、オンライン利用率では県内の多くの自治体が100.0点を達成しており、市民側のデジタル利用意欲は高いことが分かります。これは自治体がデジタルサービスを提供できれば、利用者が確保される環境が整っていることを意味し、DX投資の効果が期待できる状況です。

今後の三重県DX推進への期待と総括

三重県のDX推進は、全国平均水準を保ちながらも、自治体間の大きな格差が課題となっています。伊勢市の成功事例を他の自治体へ横展開し、特に町村部のDX推進体制整備が急務です。

県として広域的なDXプラットフォームの構築や、人材育成支援など、小規模自治体を支援する仕組みづくりが期待されます。また、マイナンバーカードの普及を活かし、32手続のオンライン化をさらに加速させることで、全国での順位向上も十分に可能性があります。

市民のデジタル利用意欲が高い三重県だからこそ、組織的・技術的なDX推進が成功しやすい環境が整っています。今後、どの自治体がこのチャンスをいかに活かすかが、県全体のDX水準向上を左右する重要なポイントになるでしょう。

三重県内各市区町村の詳細なDXスコア、カテゴリ別成績、専門家による分析をさらに詳しく知りたい方は、「三重県の市区町村別DXスコア一覧ページ」をご覧ください。

※本記事のデータは「総務省 令和6年度調査(地域スコア集計)」に基づいています。