茨城県のDX推進状況|全国17位で平均を上回る

茨城県の自治体DX推進度を示す総合スコアは57.9点で、全国47都道府県中17位にランクされています。全国平均の54.5点を3.4点上回っており、DX推進において先進的な自治体が多い県として評価されています。県内44市区町村の平均スコアは57.9点で、全国市区町村平均の53.1点より4.8点高く、地域全体でDX導入への機運が高まっていることが伺えます。

ただし、県内の自治体間でスコア格差が大きく、最高80.7点と最低30.8点の間に49.9点の開きがあります。この格差は、大規模市と小規模町村のDX投資規模の違い、人材確保の課題、財政状況の相違などが背景にあると考えられます。

茨城県内市区町村DXスコアTOP5|つくば市が全国73位で県内トップ

県内のDX推進が最も進んでいる自治体をランキング形式で紹介します。

順位 自治体名 DXスコア 全国順位 人口
1位 つくば市 80.7点 全国73位 241,656人
2位 阿見町 75.8点 全国145位 48,553人
3位 常総市 72.5点 全国215位 60,834人
4位 笠間市 70.4点 全国278位 73,173人
5位 ひたちなか市 70.3点 全国282位 156,581人

つくば市(80.7点)は県内唯一、全国TOP100入りを果たした自治体です。「科学技術の街」として知られるつくば市は、DX推進体制とAI/RPA/テレワークの両カテゴリで満点(100.0点)を獲得しており、組織的にDX推進に取り組む姿勢が顕著です。マイナンバーカード対応率84.4%、32手続のオンライン化率55.0%と、施策面でも充実しています。

阿見町(75.8点)常総市(72.5点)も、AI/RPA/テレワークで100.0点を達成し、自動化・リモートワークへの投資に力を入れていることが分かります。阿見町は人口約5万人という中小自治体でありながら、県内2位のスコアを維持している点が注目されます。

つくば市は県内で唯一全国TOP100入りを達成。DX推進体制とAI/RPA/テレワークで満点を獲得し、科学技術都市としてのDX戦略が組織に浸透していることが伺えます。

県内でDXが遅れている自治体|城里町・河内町が課題を抱える

一方、DX推進に課題を抱える自治体も存在します。スコア30点台の自治体を分析してみます。

城里町(30.8点・全国1565位)は、DX推進体制とAI/RPA/テレワークで0.0点という最低評価を受けています。人口18,097人の町村規模では、DX推進の専任部署設置やAI導入、テレワーク環境整備に投資する余裕が限定的であることが推察されます。ただし、マイナンバーカード対応率は81.1%と全国平均並みであり、国主導の施策には対応している状況です。

河内町(33.2点・全国1503位)も同様に、DX推進体制42.9点、AI/RPA/テレワーク33.3点と低水準にあります。特に32手続のオンライン化率が18.0%と著しく低く、住民向けデジタルサービスの展開が遅れています。オンライン利用率も2.2%と全国で最も低い水準であり、住民側のデジタルリテラシー向上と自治体側のサービス整備の双方を進める必要があります。

北茨城市(38.5点・全国1368位)は、DX推進体制28.6点とAI/RPA/テレワーク16.7点が課題です。人口41,801人の中規模市でありながら、組織的なDX推進の体制構築が十分でない状況が続いています。

県内DXスコアの5段階別分析|優劣カテゴリの関連性を検証

茨城県全体でみると、以下の特徴が観察されます:

強みのカテゴリ:マイナンバーカード対応が81.3点と全国平均82.0点に接近し、国の施策への対応が進んでいます。AI/RPA/テレワークも66.3点で全国平均52.4点を大きく上回り、自動化・働き方改革への投資が活発な自治体が多い傾向です。DX推進体制も62.0点で全国平均58.2点を上回っており、専任部署設置などの組織整備が進んでいます。

課題のカテゴリ:一方で、32手続のオンライン化率が40.0点、オンライン利用率が44.7点と、住民向けサービスの電子化・利用促進は全国平均より低い傾向です。特にオンライン利用率の全国平均52.7点との差は8.0点で、市民や事業者が実際にオンラインサービスを活用する段階に至っていない自治体が多いことを示唆しています。

茨城県のDX推進は「組織基盤づくり」では全国を上回る一方、「住民利用・サービス展開」では全国平均以下にとどまっており、今後の課題は市民への利用拡大と利便性の向上です。

考察|茨城県内DXランキング格差の背景と地域特性

県内のDXスコア格差が49.9点と大きい理由として、複数の要因が考えられます。

都市規模と財政力の格差:つくば市ひたちなか市など人口10万人以上の市は、DX推進担当部署の設置、専門人材の採用、システム導入への予算確保が相対的に容易です。一方、人口2万人以下の町村では、一般職の兼務で対応する傾向が強く、十分なリソース配分が難しい状況にあります。

産業構造と人材流動:つくば市は筑波大学や国立研究開発機関など、高度な技術人材が集積する環境があり、DX推進の人材確保に有利です。これに対し、農業・小売業が中心の町村ではDX推進に必要なIT人材の採用・確保が課題となっています。

国の施策導入と自治体独自施策のバランス:マイナンバーカード対応率がどの自治体でも比較的高いのは、国が強力に推進してきた結果です。一方、AI/RPA導入やオンライン手続整備は自治体の判断に委ねられており、財政余裕度の高い自治体ほど先行投資する傾向が見られます。

今後、県内全体のDX推進を加速させるには、スコアが低い自治体への支援体制の充実、市区町村間での好事例共有、県による広域的なシステム導入支援などが有効な施策となるでしょう。

まとめ

茨城県は総合スコア57.9点で全国17位と、平均以上のDX推進度を示しています。つくば市が全国73位で県内トップを占め、阿見町常総市なども60点台後半の高スコアを維持しており、県内有力自治体のDX推進は確実に進行中です。

一方で、城里町河内町など30点台の自治体も存在し、県内の格差は49.9点に及びます。組織基盤づくり(DX推進体制)では全国を上回る一方、住民サービスの電子化・利用促進は課題として残っており、今後の発展課題は「如何に市民・事業者のオンライン利用を拡大するか」という点にあります。

スコアが低い自治体も、マイナンバーカード対応や基礎的なシステム整備には着手しており、今後の財政支援や県の支援体制充実によって、県全体の底上げが期待できる段階にあると言えます。

茨城県内の市区町村別DXスコアの詳細情報については、茨城県の全市区町村DXスコア一覧ページで確認できます。ご自身の自治体のスコア詳細、カテゴリ別評価、全国順位などを詳しくご覧ください。

出典:総務省 令和6年度調査(地域スコア集計)