兵庫県のDX推進状況|全国平均を上回る総合スコア57.6点

兵庫県の自治体DX総合スコアは57.6点で、全国47都道府県中18位です。全国平均の54.5点を3.1点上回り、DX推進において全国的に見ても比較的進展している地域といえます。ただし、県内の市区町村41団体における格差は大きく、最高の88.8点から最低の30.5点まで58.3点もの差が生まれています。

兵庫県の強みは、AI・RPA・テレワーク導入(75.2点、全国平均52.4点)とマイナンバーカード普及率(82.8点、全国平均82.0点)の2分野で全国を上回っています。一方、32手続のオンライン化(37.4点、全国平均33.2点)とオンライン利用率(33.8点、全国平均52.7点)では、向上の余地があります。

県内市区町村DXスコアTOP5|3自治体が全国TOP100入り

兵庫県内で特にDX推進が進んでいる市区町村をご紹介します。以下の5団体は、県内を代表するDXリーダーであり、全国的にも高い評価を受けています。

順位 自治体名 総合スコア 全国順位 人口
1位 姫路市 88.8点 全国12位 530,495人
2位 神戸市 86.3点 全国19位 1,525,152人
3位 宝塚市 83.8点 全国38位 226,432人
4位 洲本市 76.0点 全国138位 41,236人
5位 養父市 73.4点 全国194位 22,129人

1位:姫路市(88.8点、全国12位)は、県内のDXトップランナーです。特にDX推進体制(100.0点)、AI・RPA・テレワーク(100.0点)、オンライン利用率(100.0点)の3分野で満点を達成しています。姫路市は組織横断的なDX推進体制を整備し、先進的なテクノロジー導入に積極的に取り組んでいます。

2位:神戸市(86.3点、全国19位)は、県内最大級の人口規模を誇りながら高いDXスコアを維持しています。AI・RPA・テレワーク(100.0点)とオンライン利用率(100.0点)で満点を達成し、住民向けのオンライン手続化も進展しています。

3位:宝塚市(83.8点、全国38位)も、規模の割に高い成果を上げています。AI・RPA・テレワーク導入(100.0点)とオンライン利用率(100.0点)で満点を獲得し、ユーザーフレンドリーなデジタルサービス環境の構築に成功しています。

兵庫県内41市区町村のうち、3自治体が全国TOP100に入り、全国WORST100に入った自治体はありません。これは県全体のDX推進水準の高さを示す指標となります。

DX推進が課題の自治体|58.3点の格差を埋めるために

一方、DXスコアが30点台に留まる自治体も存在します。県内でDX推進が遅れている3つの自治体の状況を見てみましょう。

淡路市(30.5点、全国1572位)は、DX推進体制(0.0点)の整備が進んでおらず、組織的なDX推進の基盤が構築されていません。また、AI・RPA・テレワーク(16.7点)の導入率も極めて低い状況です。人口41,967人の自治体であり、規模の割に対応が遅れています。

稲美町(30.6点、全国1571位)は、AI・RPA・テレワーク(0.0点)で得点がなく、DX推進体制(42.9点)も十分ではありません。オンライン利用率(5.3点)は県内で極めて低く、住民のデジタルサービス利用が進んでいない実態が窺えます。

福崎町(30.8点、全国1561位)も同様に、DX推進体制(14.3点)とオンライン利用率(11.4点)が低迷しています。小規模自治体であることから、人員・予算両面での制約が大きいと考えられます。

これらの自治体では、DX推進体制の構築が喫緊の課題です。専任部門の設置、職員研修、外部人材の活用など、組織的な対応が必要不可欠です。

兵庫県におけるDX推進の特徴と地域的背景

兵庫県のDXスコア分布に見られる大きな格差は、複数の要因によって説明されます。

まず、都市規模と経済基盤の差異が影響しています。神戸市姫路市などの大規模自治体は、DX推進に充てられる予算が大きく、専門人材の確保も容易です。一方、淡路地域や中播磨地域の小規模自治体では、限られた経営資源の中でDXを推し進める必要があり、優先順位の決定が困難な状況にあります。

次に、産業構造と企業立地の違いです。神戸市は国際港湾都市として多くのIT関連企業が集積し、自治体とのデジタル化協業も進みやすい環境にあります。姫路市も工業都市として、域内企業との連携によるDX推進が可能です。これに対し、農業や小規模製造業が中心の地域では、企業側のDX需要が相対的に低く、自治体のDX推進へのインセンティブも限定的です。

さらに、住民のデジタル理解度も差に影響しています。オンライン利用率でTOP5と最下位の自治体に大きな差が出ているのは、住民層の年齢構成やデジタルリテラシーの違いを反映しています。高齢化が進む地域では、対面対応の需要が根強く、自治体がオンライン化に注力しにくいという課題があります。

兵庫県全体では全国平均を上回るDX推進が進んでいますが、県内格差の縮小は重要な政策課題です。小規模自治体への技術支援、人材育成、先進事例の共有が必要です。

まとめ|兵庫県のDXは「二極化」から「共進化」へ

兵庫県の自治体DXは、全国平均を上回る総合スコア57.6点を達成しながらも、市区町村間の格差が58.3点という大きな課題を抱えています。姫路市神戸市といったリーダー自治体が全国TOP100入りする一方で、小規模自治体がDX推進体制の整備に課題を抱えている状況です。

今後、兵庉県全体のDX水準を向上させるには、先進自治体のノウハウを他の団体に横展開する仕組み、小規模自治体を対象とした広域的なDX支援体制の構築、そして住民教育を含めた総合的なアプローチが必要です。デジタルの力を県全域で活かす「共進化」の実現が期待されます。

※データ出典:総務省 令和6年度調査(地域スコア集計)

兵庫県内41市区町村すべてのDXスコアや詳細分析をご覧になりたい方は、兵庫県市区町村別DXスコア一覧ページをご覧ください。各自治体の5つのカテゴリ別スコアや全国順位、人口別の比較なども掲載しています。