群馬県のDX総合スコア|全国37位の現状
群馬県の自治体DX総合スコアは47.9点で、全国37位(47都道府県中)という結果になっています。全国平均の54.5点を大きく下回っており、DX推進においては全国的に見ても遅れが生じている状況です。
県内35市区町村の平均スコアは47.9点で、全国市区町村平均の53.1点と比較してもおよそ5ポイント以上の差があります。特に注目すべきは、県内でのスコア格差が非常に大きい点です。最高スコアの前橋市が73.9点である一方、最低の草津町が21.0点と、実に52.9点の開きがあります。
総合スコア:47.9点(全国37位)
全国平均との差:-6.6点
県内スコア最大格差:52.9点
5つの評価カテゴリ別に見ると、マイナンバーカード関連が81.3点と比較的高い一方、32手続オンライン化(32.3点)やAI/RPA/テレワーク(40.0点)の項目で全国平均を大きく下回っています。オンライン手続きの整備やデジタル人材の活用が、群馬県が直面する課題として浮かび上がっています。
県内市区町村TOP5ランキング
群馬県内でDXに積極的に取り組んでいる5つの自治体を紹介します。これらの自治体がどのような施策に力を入れているかは、他の地域のベンチマークになります。
| 順位 | 自治体名 | DXスコア | 全国順位 | 人口 | DX推進体制 | AI/RPA/テレワーク | マイナンバーカード | 32手続オンライン化 | オンライン利用率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 前橋市 | 73.9 | 187位 | 332,149 | 85.7 | 100.0 | 83.4 | 63.0 | 36.8 |
| 2位 | 館林市 | 73.8 | 189位 | 75,309 | 100.0 | 83.3 | 82.4 | 43.0 | 55.8 |
| 3位 | 藤岡市 | 66.5 | 403位 | 63,261 | 71.4 | 66.7 | 81.0 | 50.0 | 65.7 |
| 4位 | みどり市 | 66.3 | 407位 | 49,648 | 85.7 | 50.0 | 82.2 | 41.0 | 71.5 |
| 5位 | 安中市 | 65.7 | 434位 | 54,907 | 57.1 | 83.3 | 80.0 | 41.0 | 72.6 |
前橋市(73.9点)は県内で唯一、全国200位以内に入る自治体です。AI/RPA/テレワークのスコアが満点の100.0を獲得しており、DXの推進体制(85.7点)も充実しています。県庁所在地としての人口規模と予算規模が、DX投資に有利に働いている側面が考えられます。
館林市(73.8点)は、DX推進体制で100.0という満点を達成している唯一の自治体です。人口7万人規模の市としては珍しく、組織体制の整備が極めて充実していることが特徴です。オンライン利用率(55.8点)も県内で高く、住民の利用を促進する工夫が奏功していると言えます。
藤岡市・みどり市・安中市の3自治体は、スコア65〜67点台で同程度の水準にあります。特にみどり市とみどり市のオンライン利用率(71.5点、72.6点)が高いことは、手続きのデジタル化に加えて、住民のデジタル活用が進んでいることを示しています。
DXが遅れている自治体と課題の詳細
一方、DXスコアが顕著に低い自治体も存在します。これらの自治体の状況を理解することは、全県的なDX推進における課題把握に重要です。
草津町(21.0点)は、AI/RPA/テレワークのスコアが0.0で、この領域でのデジタル化施策がほぼ実施されていません。また32手続オンライン化も0.0となっており、オンライン手続きの環境整備が大きく遅れています。オンライン利用率も8.8点にとどまっており、施設や制度がある場合でも住民の利用が進んでいない状況です。
南牧村(24.1点)と神流町(26.7点)も同様の課題を抱えており、特にAI/RPA/テレワークが0.0に近い値となっています。これらは人口2,000人以下の小規模村落であり、DX人材の確保や投資の優先順位付けが困難である可能性が高いです。
注目すべきは、これら低スコア自治体においても、マイナンバーカードのスコアは77〜80点台という点です。国策として推進されているマイナンバーカード関連の施策は進行している一方で、独立した地域主体のDX施策が機能していない実態が浮かび上がります。
群馬県のDXが低迷する背景と地域特性
群馬県全体でDXスコアが全国平均を下回る背景には、いくつかの構造的要因が考えられます。
第一に、自治体規模による格差です。前橋市のような県庁所在地と、人口1,600人の村落では、確保できるデジタル人材や予算が大きく異なります。DXスコアの最大格差52.9点という数字は、この地域特性の差を如実に表しています。小規模自治体では、デジタル化推進を担当する専門職員を配置することが困難であり、結果として手続きのオンライン化やRPA導入といった施策の着手が遅れる傾向にあります。
第二に、産業構造と人口動態です。群馬県は製造業が発達した地域である一方、都市部への人口流出が続いています。小規模農山村では人口減少に対応することで精一杯であり、先進的なDX施策に経営資源を割く余裕が限定的です。
第三に、32手続オンライン化の低さです。全国平均33.2点に対して32.3点という、わずかな差に見えますが、これは多くの自治体が基本的なオンライン手続きの整備に遅れていることを示唆しています。行政基盤の整備段階でのつまずきが、その後のAI/RPA活用やテレワーク推進といった高度なDX施策へのステップアップを妨げている可能性があります。
前橋市と館林市がスコアで突出している背景には、これら両市が早期からDX推進体制を整備し、首長のリーダーシップの下で継続的に施策を推進してきたことが想定されます。一方、他の自治体との格差を埋めるには、県域全体での人材育成、広域連携による共同システム構築、国庫補助の活用など、多層的なアプローチが必要です。
まとめと今後の展望
群馬県のDXスコア47.9点(全国37位)という結果は、県全体として推進の余地が大きいことを示しています。同時に、前橋市や館林市のように全国200位以内に入る自治体が存在することは、県内にもDX推進の成功事例があることを意味します。
県内35市区町村のうち、全国TOP100に入る自治体がゼロであり、一方でWORST100に2自治体が入っているという現状は、全体的な底上げと先進事例の横展開が急務であることを示唆しています。
小規模自治体でのDX推進には、都道府県レベルでのシステム統一化やコンサルティング支援、デジタル人材の派遣制度などの広域的なサポートが有効です。また、前橋市のAI/RPA/テレワーク100.0点や、みどり市・安中市のオンライン利用率70点超といった好事例を、他の自治体へ波及させることも重要です。
群馬県内の全市区町村のスコア詳細や各自治体の個別施策については、「群馬県内市区町村DXスコア一覧」ページで確認できます。あわせてご参照ください。
【データ出典】総務省 令和6年度調査(地域スコア集計)