岐阜県のDX総合スコア|全国20位の現状分析

岐阜県の自治体DX総合スコアは56.9点で、全国20位(47都道府県中)という位置付けです。全国都道府県平均の54.5点を上回っており、DX推進において比較的良好な成績を収めています。

5つのカテゴリ別では、マイナンバーカード関連が84.1点と全国平均(82.0点)を大きく上回る強みを持つ一方で、32手続オンライン化は36.3点と全国平均(33.2点)を若干上回るものの、まだ十分な対応が必要な領域となっています。特にDX推進体制(61.2点)とAI/RPA/テレワーク(55.5点)においては、全国平均を超えており、県内の自治体が組織的なデジタル化を推進していることが窺えます。

岐阜県の特徴:マイナンバーカード普及率が高く、DX推進体制が整備されつつあるが、住民向けオンライン手続きの多様化にはさらなる努力が必要な段階

県内市区町村TOP5|先進自治体の取り組み

岐阜県内42市区町村の中で、DXスコアが特に高い上位5団体を紹介します。

順位 自治体名 スコア 全国順位 人口
1位 岐阜市 84.3点 全国32位 402,557人
2位 関市 83.8点 全国37位 85,283人
3位 各務原市 83.6点 全国41位 144,521人
4位 美濃加茂市 81.9点 全国52位 56,689人
5位 恵那市 81.2点 全国63位 47,774人

岐阜県内ではTOP5の自治体すべてが全国100位以内にランクインしており、県全体のDX推進をけん引しています。特に岐阜市は県内最大規模の自治体として、全国32位という高い評価を獲得。DX推進体制(85.7点)と32手続オンライン化(68.0点)で高スコアを記録しており、オンライン利用率も100.0点に達しています。

関市各務原市美濃加茂市恵那市の4市は、AI/RPA/テレワーク項目で満点の100.0点を達成しており、業務効率化への積極的な取り組みが特徴です。これらの自治体では、職員の働き方改革と業務の自動化が進行している様子が窺えます。また、全5自治体ともオンライン利用率が100.0点であり、住民のデジタルサービス利用が定着していることが伺えます。

岐阜県内のDX先進自治体は、AI・RPA活用による業務効率化と住民向けオンラインサービスの充実で全国的に優位性を確保しています

DX推進が遅れている自治体|課題と背景

一方、県内でDX推進スコアが低い自治体も存在します。最も低いスコアは安八町の22.7点で、全国1692位という厳しい状況です。富加町(23.4点)、八百津町(24.2点)も全国WORST100入りており、これら3町村でのDX推進が大きな課題となっています。

これらの自治体の特徴として、DX推進体制が14.3点から0.0点と極めて低く、AI/RPA/テレワークでも0.0点から33.3点に留まっている点が挙げられます。人口が5,000~14,000人規模の小規模町村では、専門的なDX人材の確保と予算配分が難しいという構造的課題があります。

興味深いことに、これら低スコア自治体においても、マイナンバーカード関連は83~85点台と比較的高いスコアを維持しています。これは国の推進施策の効果を示す一方で、32手続オンライン化が10~29点、オンライン利用率が3~7点という極端な低さから、住民向けデジタルサービスの整備と利用促進が深刻に遅れていることが明らかです。

考察|61.6点の格差が示す岐阜県のDX課題

岐阜県内の市区町村スコア格差は61.6点(最高84.3点~最低22.7点)に達しており、全国市区町村平均(53.1点)を上回る県内平均56.9点の中に、極めて高い自治体と極めて低い自治体が共存しています。この格差の背景には、自治体規模による「デジタル人材の確保難」と「財政的余裕の差」が大きく影響しています。

岐阜市関市などの中核市・特例市では、IT部門の専門職員を複数配置でき、外部のコンサルタントやベンダーとの連携も容易です。一方、人口5,000~15,000人の町村では、兼務職員1~2名でDXを推進せざるを得ず、戦略的な施策立案と実行が困難な状況が続いています。

県内8自治体が全国TOP100入りを果たす一方で、3自治体がWORST100入りしているという二極化現象は、岐阜県全体のDX水準引き上げに向けて、小規模自治体への支援体制の強化が急務であることを示唆しています。県が主導的に支援体制を構築し、小規模町村でも活用できるDXプラットフォームやオンライン手続きの標準化・共通化を推進することが、県全体の底上げに不可欠です。

岐阜県のDX推進では、先進自治体と遅れた自治体の格差解消が重要な課題。県主導の支援体制と小規模自治体向けのDXソリューション共通化が今後のカギになります

まとめ|岐阜県のDX推進の方向性

岐阜県は全国20位という水準で自治体DXを推進していますが、県内での格差が大きい特殊性を抱えています。岐阜市を中心とした先進自治体の取り組み経験を県内他自治体に横展開すること、そして小規模町村でも導入可能な低コストDXソリューションの提供が、今後の重要な施策となります。

マイナンバーカード普及率が高いという強みを活かしながら、32手続のオンライン化率向上と住民のオンライン利用率の向上を目指すことで、岐阜県全体のDX水準をさらに高めることができるでしょう。

岐阜県の全市区町村DXスコア一覧ページでは、42全自治体のスコア詳細と個別分析を掲載しています。ぜひ、ご自身の自治体や関心のある地域の状況をご確認ください。

(出典:総務省 令和6年度調査「地域スコア集計」)