福岡県のDX総合スコア|全国31位の現状と課題

福岡県の自治体DX推進度を示す総合スコアは52.3点で、全国47都道府県中31位となっています。全国都道府県平均の54.5点を2.2点下回っており、DX推進において全国平均レベルの取り組みが行われている状況です。

県内59の市区町村を対象とした調査では、平均スコアが52.3点と全国市区町村平均の53.1点と比較してやや下回っています。しかし、県内での格差が非常に大きく、最高スコア79.1点から最低スコア16.2点まで、62.9点もの開きが生じており、自治体間のDX推進度に大きなばらつきが見られます。

福岡県の総合スコア:52.3点(全国31位)
県内市区町村平均:52.3点 / スコア格差:62.9点(79.1点~16.2点)

カテゴリ別に見ると、マイナンバーカード関連が80.5点と全国平均(82.0点)に近い高い水準を維持しています。一方、32手続のオンライン化は33.8点と全国平均(33.2点)とほぼ同等ですが、オンライン利用率は47.0点で全国平均(52.7点)より低く、住民の利用促進が課題となっています。

福岡県内 市区町村DXスコアTOP5

順位 自治体名 DXスコア 全国順位 人口
1位 古賀市 79.1点 全国101位 58,786人
2位 八女市 75.8点 全国143位 60,608人
3位 福岡市 75.6点 全国151位 1,612,392人
4位 みやま市 74.1点 全国182位 35,861人
5位 筑後市 73.4点 全国195位 48,827人

県内TOP5の特徴と各自治体の取り組み

古賀市(79.1点、全国101位)は福岡県内で最高スコアを獲得しています。AI・RPA・テレワーク(100.0点)とオンライン利用率(100.0点)において満点を達成し、県内でも先進的なDX推進体制が構築されていることが伺えます。人口約5.9万人の中核市として、効率的なDX投資と職員の育成に力を入れている可能性が高いです。

八女市(75.8点、全国143位)は、DX推進体制で85.7点の高スコアを記録しており、組織的な体制整備が進んでいます。AI・RPA・テレワークも83.3点と良好な水準を維持し、バランスの取れたDX推進が特徴です。

福岡市(75.6点、全国151位)は県内で3番目のスコアですが、全国101位の古賀市と比べると順位が下がっています。県庁所在地で人口160万人を超える大規模市でありながら、32手続のオンライン化で92.0点と高い成果を上げている一方、オンライン利用率は18.1点と大きく低迷しており、住民の利用促進が重要な課題となっています。

みやま市(74.1点、全国182位)とは筑後市(73.4点、全国195位)も、AI・RPA・テレワークとオンライン利用率の両方で高いスコアを達成し、県内の優良事例として位置付けられます。

福岡県内でDXが遅れている自治体|課題の実態

一方、県内にはDX推進が大きく遅れている自治体も存在します。最も低いスコアを記録しているのは糸田町(16.2点、全国1732位)です。AI・RPA・テレワークで0.0点、DX推進体制も14.3点と基本的なDX体制の構築が進んでいない状況が明確です。32手続のオンライン化も8.0点、オンライン利用率は1.2点と、デジタル化への対応が極めて限定的です。

東峰村(16.5点、全国1730位)大木町(16.7点、全国1729位)も同様に低いスコアです。特に東峰村はオンライン利用率が0.0点、大木町はDX推進体制が0.0点とカテゴリ別でも深刻な課題を抱えています。

県内で全国WORST100入り:4自治体
小規模自治体を中心に、AI・RPA・テレワークの導入や手続のオンライン化が進まない傾向が見られます。

これらの自治体に共通する課題は、小規模であることが多く、DX推進に必要な予算、人材、ノウハウの不足が深刻であることです。職員数の制限により、DX担当部署の設置が難しい状況が想定されます。

福岡県内のDX格差が生じる背景と考察

福岡県の自治体間でDXスコアに62.9点もの大きな格差が生まれている背景には、複数の要因があります。

第一に、人口規模と財政基盤の差異が挙げられます。古賀市八女市などのスコア上位の自治体は、人口5~6万人規模で中核市としての基本的な予算配分を受けられる立場にあります。一方、糸田町東峰村は人口が数千~1万人程度の極めて小規模な自治体であり、限られた予算でDXを推進することが困難な状況です。

第二に、組織体制とDX人材の確保の差が影響しています。スコア上位の自治体は、DX推進体制で高スコアを記録しており、専任の担当者やCDO(チーフ・デジタル・オフィサー)の配置が進んでいる可能性があります。これに対し、スコア下位の自治体では、兼務でDX業務を担当する職員が多く、戦略的な取り組みが困難な環境にあります。

第三として、地域特性と産業構造も関連しています。古賀市福岡市の近郊で経済活動が活発であり、企業のDX需要に対応する形で自治体DXも進む傾向があります。一方、山間部や農業地帯の自治体では、DXニーズの認識が低い可能性があります。

福岡市が県内3位にとどまっている点も興味深い現象です。県庁所在地でありながら、オンライン利用率が18.1点と極めて低いのは、行政手続のオンライン化は進んでいても、実際の住民利用が進まない「デジタル・デバイド」の課題を示しています。大規模都市では、高齢者や情報格差層への対応も求められ、単純なオンライン化だけでなく、アクセシビリティーやユーザーサポートの充実が必要です。

福岡県DX推進の方向性とまとめ

福岡県全体では、マイナンバーカード関連の普及が進み、手続のオンライン化も一定程度進んでいます。しかし、県内の自治体間格差が大きく、小規模自治体のDX推進が大きな課題となっています。

今後、福岡県内のDX推進を加速させるには、県による小規模自治体への財政支援、人材育成プログラム、デジタル基盤の標準化などの支援が重要です。また、福岡市のようにオンライン化は進んでいるものの利用率が低い自治体では、住民への啓発・利用促進とアクセシビリティー向上が急務です。

古賀市八女市の事例は県内の優良モデルとして、他の自治体への水平展開が有効でしょう。小規模自治体も含めた底上げにより、県全体のDX推進度を向上させることが、福岡県の競争力強化につながります。

出典:総務省 令和6年度調査(地域スコア集計)

福岡県内の全市区町村のDXスコアと詳細データについては、福岡県内市区町村別DXスコア一覧ページをご参照ください。