福井県のDX総合スコアと全国での位置づけ

福井県の自治体DX総合スコアは56.9点で、全国47都道府県中19位の水準にあります。全国平均の54.5点を上回っており、DX推進において全国的な平均値を超える成果を上げていることがわかります。

県内17市区町村の平均スコアは56.9点で、全国市区町村平均の53.1点より3.8点上回っています。これは福井県全体としてDX推進に一定の力を入れていることを示していますが、同時に県内のスコア格差が大きい(最高87.5点~最低31.1点、差56.4点)という課題も存在します。

福井県DX総合スコア: 56.9点(全国19位)
県内市区町村平均: 56.9点(全国市区町村平均: 53.1点)

5つのカテゴリ別では、マイナンバーカード取得促進(85.2点)が全国平均82.0点を大きく上回り、県内の強み分野となっています。一方、32手続のオンライン化(43.1点)は全国平均33.2点を上回るものの、オンライン利用率52.0点は全国平均52.7点とほぼ同等となっており、今後の課題として認識できます。

福井県内 市区町村DXスコアTOP5

順位 自治体名 DXスコア 全国順位 人口
1位 越前市 87.5点 全国14位 80,611人
2位 坂井市 86.2点 全国20位 88,481人
3位 鯖江市 84.1点 全国36位 68,302人
4位 大野市 74.7点 全国166位 31,286人
5位 高浜町 73.3点 全国200位 10,326人

TOP3自治体の特徴と全国TOP100入り

福井県内でDX推進がもっとも進んでいるのは越前市で、87.5点(全国14位)を獲得しています。DX推進体制とAI/RPA/テレワーク、オンライン利用率でそれぞれ満点近い成績を収めており、県内の先進事例として位置づけられます。

2位の坂井市は86.2点(全国20位)で、県内最大の人口規模(88,481人)を背景に、組織的なDX推進と高いオンライン利用率を実現しています。3位の鯖江市も84.1点(全国36位)と優秀で、とくにAI/RPA/テレワーク分野で満点を記録しています。

福井県内で全国TOP100入りを果たしたのは、越前市坂井市鯖江市の3自治体です。これらは県内DX推進の牽引役であり、他自治体のベンチマーク対象となっています。

4位の大野市(74.7点・全国166位)と5位の高浜町(73.3点・全国200位)は、人口規模が小さいながらも県内平均以上のスコアを維持しており、小規模自治体でのDX推進の実現可能性を示しています。特に両自治体ともオンライン利用率で満点を獲得しており、住民とのデジタル接点構築に注力している姿勢がうかがえます。

DXが遅れている自治体と課題分析

一方、県内でDX推進が課題となっている自治体も存在します。最もスコアが低いのはおおい町(31.1点・全国1552位)で、全国でも著しく低い水準にあります。DX推進体制(28.6点)やAI/RPA/テレワーク(16.7点)のスコアが極めて低く、組織的なDX推進基盤の構築が急務です。

小浜市(37.9点・全国1386位)と越前町(38.1点・全国1378位)も、同様の課題を抱えています。これらの自治体では、AI/RPA/テレワーク分野の得点が特に低く、庁内業務のデジタル化やテレワーク環境の整備が進んでいない状況が明確です。さらに、オンライン利用率も一桁台(おおい町5.5%、小浜市9.1%、越前町5.2%)と極めて低く、住民のオンラインサービス利用が定着していない現状が課題となっています。

DXが遅れている自治体の共通課題: - DX推進体制の整備不足 - 庁内業務デジタル化の遅れ - テレワーク環境の未構築 - 住民のオンライン利用率の低さ

注目すべき点として、これらの自治体でもマイナンバーカード関連のスコアは比較的高い(83~86点)という傾向があります。これは全国的なマイナンバーカード推進キャンペーンの影響が大きいと考えられますが、カード取得と実際のデジタル利用率は必ずしも連動していない実態を示しています。

福井県内の格差が生まれた背景と地域特性

福井県内でのDXスコア格差(56.4点)が生まれた背景には、複数の要因が考えられます。

第一に、自治体の人口規模と組織規模の差です。越前市(80,611人)、坂井市(88,481人)など、県内で比較的大きな都市は、DX推進専門部署の設置や専任職員の配置が容易であり、計画的なDX推進が実現できています。一方、おおい町(7,910人)のような小規模自治体では、人員配置の制約からDX推進が後回しになりやすい傾向があります。

第二に、産業構造との相関です。越前市鯖江市は、眼鏡や繊維など伝統産業の産地であり、これらの産業がデジタル化を求めるため、自治体もそれに応応する形でDX推進を加速させています。特に鯖江市のAI/RPA/テレワーク満点は、地場産業のデジタル化支援と連動した庁内デジタル化が背景にあると推測されます。

第三に、首長や幹部職員のDX推進への関心度です。TOP5の自治体では、DX推進体制のスコアが総じて高く、これは経営トップがDXを重要課題として位置づけていることを示唆しています。

福井県のDX推進における課題と今後の展望

福井県全体のDX推進では、いくつかの課題が浮かび上がります。5カテゴリ別でみると、32手続のオンライン化(43.1点)が全国平均33.2点を10点上回るものの、依然として50%以下の水準に留まっています。自治体の基本的なサービス提供機能である行政手続のオンライン化は、さらなる推進が必要です。

また、オンライン利用率52.0点は全国平均とほぼ同等ですが、県内の市区町村間で大きなばらつきがあります。一部の先進自治体でオンライン利用率が100点でも、DXが遅れた自治体では一桁台という状況は、県全体での利用促進策の強化が必要であることを示しています。

今後、福井県が全国トップレベルのDX推進自治体群になるためには、DXが遅れている自治体への支援強化、県内全自治体での均衡的な推進が重要です。県レベルでのDX人材育成支援、システム共同化による効率化、市民デジタルリテラシー向上への取り組みなどが期待されます。

まとめ

福井県は全国19位の総合スコア56.9点で、全国平均を上回るDX推進を実現しています。越前市坂井市鯖江市の3自治体が全国TOP100入りを果たし、県内の先進事例を牽引しています。一方、県内のスコア格差56.4点は全国的に見ても大きく、DXが遅れた自治体への支援強化が急務です。

マイナンバーカード取得率の高さは県内の強みですが、デジタル利用率との乖離が課題となっています。今後は、行政手続のオンライン化促進と住民のデジタルリテラシー向上を両輪で進めることが、福井県全体のDX推進を加速させる鍵となるでしょう。

福井県内各市区町村のDXスコア詳細については、福井県内 市区町村DXスコア一覧ページをご参照ください。各自治体の詳細分析や推移データをご確認いただけます。

出典:総務省 令和6年度調査(地域スコア集計)